女子大生が本とか映画の感想を言うブログ

すっかり読書離れしてしまった女子大生が本を読まんとするブログです。たまに映画も見ます。あらすじや感想を載せていきます。

あまりに自分で決められないし『自分で決められない人たち』を読んだ

 

矢幡洋著『自分で決められない人たち』を読みました。

 

自分で決められない人たち (中公新書ラクレ)

自分で決められない人たち (中公新書ラクレ)

 

 

 私は成人しているのですが、この年になっても大事なことが自分で決められないことが多々あります。(情けない)

そんな自分の欠点を直す一助になったらと『自分で決められない人たち』という本を読みました!

 

どんな内容か

 

一言で言うと:依存性パーソナリティの説明

 

さまざまな例を用いて、「依存性パーソナリティ」について説明している内容でした。

本来の目的である「自分で決められるようになる」という手段を知れる本、というよりかは、

・「自分で決められない人たちがどんな人か」

・「どんなパターンがあるか」

・「どんな弊害があるか」

ということがわかりやすく書いてあります。

 

自分で決められるようになるか

 

結論からいうと、この本を読んでも、「自分で決められる」ようにはなりません。(たぶん)

 

いや、

どんな本でも読んだ後に行動しなきゃ変わらんがな~!

というのはもちろんありますが!

具体的な方法を教えてくれる本ではないことは確かです。

 

方法を手っ取り早く知ろうとしてしまうあたり、「自分で決められない」性格なんだなぁとは我ながら思いますが!!!!

 

「じゃあ決められない自分を変えたい!って人でも読む必要ないの!?」

って聞かれるとそうではないです。(わかりづらい)

 

自分の特徴を知ったり、自分が世間からどう見られているのか知ることができたり、自分はここまでじゃないな……でもこの傾向は強いな……と思ったり……。

 

個人的に、参考になるなあと感じた部分は、筆者が例に挙げていた、依存症患者の治療例でした。

 

「自分に自信を持たせるよう、小さなことでも褒める」などは、自分の意識下で自分をほめていけばちょっとずつ変わるかも!?と参考になりました。

(それがコンスタントにできれば苦労はしていない感じもしますが……。この場合はお医者さんという外的アプローチなので、変化が明らかでした)

 

「明日、朝起きたら、自分の身の回りのすべての問題が解決していたら、何をしたいですか」と聞くなど、自分だったらどうするかな~など、考えてみれるのがよかったです。

 まぁ、対策的なことはほとんど載ってないので、

「自分で決めらなれないどころか自分で考えるのもしんどいんですけど!!」

って人にはもっと直接的に方法を教えてくれる本のほうがおすすめだよ!って感じですかね。

 

逆に言うと、方法だけ説明される本よりも「読んだだけで解決した気になる」ことはないので、こっちのほうが優柔不断が改善されるかもしれません。(ダメでも責任は取りません

 

未来予想

 

私はこの本において「ネオ依存症」という部類に入っているようです。

ネオ依存症ってめちゃめちゃに依存症って感じがしますが、この本の中だと、「コミュニケーションを避ける」というイメージで説明されています。

俗に言う「回避依存」に近いですかね。

 

自分にない価値観を持つ人を、理解できないと遮断する。

他者に興味を持たない。

等々。

 

そして、このネオ依存症は、この本が発売された当初(2004年)は、結構目新しいものだったようです。(最先端のものとして描かれています)

ネオ依存症が今後蔓延していくだろう、という話でした。

 

それが10年後、女子大生の私に(少しですが)その傾向があり、周りにも数人思い当たる節がある人がいる、というのは、

著者、先読み能力がすげえな!!って感じです。

 

そんな先読み能力がある著者が今後の未来を予想していました。

一例をあげると、

 

「しつけ大学ができる」等。

 

昨今は「面倒見の良さ」を大学に求めているひとは多いイメージがありますね。

(どれだけ昔に比べてニーズが増えているかはわかりませんが。)

 

また、これからは自分大好きわがまま人間が大量発生するのでは、という予想も立てていました。ひえええ……嫌すぎる……。

 

 

どんな人にでもおすすめするかといえば微妙ですが、心理学的な本が好きな人は好きだと思います!

私の場合は、こういう心理の人もいるんだなぁ、自分もこういうところがあるかもなぁ、と楽しんで読むことができました!

でも、めちゃめちゃ臨床心理系の話で、脳科学的な話ではなく、しかも凡例が多い!という癖の多い本なので、読む人は選ぶかなぁという印象でした。

 

ただ、自分がいろんな決断を他者にゆだねがちだなあ、できないふりして人にやってもらうことがあるなあ、って人は、自分を知るためにも、一読の価値ありですよ!

 

女子大生の一言:脱☆自分で決められない人間、目指します。

 

社会的新人JDが『伝説の新人』を読んだ感想

今回読んだのはこちらです。

柴垣樹郎・小宮謙一『伝説の新人――20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い』

 

伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い

伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い

 

 

ビジネス書です。

 

この本を読むにあたった経緯

 

私が就活中に本をこの本を勧められたので読みました。

じつは、この本を勧められたのは二度目。

なんだかすごい本らしいぞ、と今更になって思います。

 

内容・あらすじ

 この本は、20代のうちに仕事を通していち早く突き抜け、伝説となるような仕事を数多く残し、他には替えがたい存在になりたいという人のために生まれました。

 世の中には、「あの人は優秀だ」と呼ばれる人はたくさんいますが、「超一流」と呼ばれ、その仕事ぶりを「伝説」として語られるような人はほんの一握りしかいません。

冒頭の文を引用しました。そんな伝説の新人になるために何をすればいいか、という内容です。

 

感想

 

私はゆとり女子大生なので、「ビジネス書」に苦手意識があったのですが、読んでいて楽しいし、読みやすいしで、読んでよかったなと思います。

 

この本は、20代のうちに仕事を通していち早く突き抜け、伝説となるような仕事を数多く残し、他には替えがたい存在になりたいという人のために生まれました。

 

先ほどあらすじでも引用したとおり、現状で伝説を目指している方が読むのに最高の本だと思います。

まず、成功者の具体例が非常に多く、話に説得力がありますし、コピーライターもやっているとだけあって、文章の読みやすさがすごいです。

書いてある内容も、めちゃめちゃにモチベーションが上がるようになっています。

私も上がりました。 

 

ただ、私のように、「伝説かぁ、考えたことはないけど、しっかりは仕事がしたいな」って奴でも、ばっちり学ぶことができました。

 

なにより、

自分にしかできない仕事をしたいな、楽しい仕事をしたいなって考えたら、裁量権が多く与えられないとできないよなぁ。

 

っていう部分を学ぶことができました。

 

 

あと、積極的に、それこそ「伝説並み」に行動していると、

 

いろんなところに呼ばれる

→いろんな人としゃべれる

→いろんな視点を手に入れられる

 

という話も興味深かったです。

 

個人的にですが、こういう「出世すること自体の意義」に触れられたのがうれしいです。

まぁ、筆者の思うところではないのだと思いますが。

 

 

その中でも個人的にひときわ学ぶことが多かったのは

第七章 伝説の新人は、好かれ方が違う

という章でした。

 

最近、 他者満足からなるコミュニケーション課題なんですよ。

 

感想を書こう!と思って読んでいたので、感じるものがあったときに付箋を貼るようにしていたのですが、

 

「今の私にぴったりの内容だ~耳がイテェ~~

 

と思って読んでいたので、ここだけ付箋の色が明らかに寒色系です。

気ままに付箋を選ぶのでその時の気分が出ますね。

 

こんな風に私以外の人が読んでも、一人一人の課題にあった内容が絶対に見つかるはずです!

もちろん全章から学ぶことはあるけどね!

 

というわけで、この本に書いてあることを今日から実行し、しっかりとした社会人になりたいぜ!と思ってます!!!!!



 女子大生の一言

圧倒的って書いてあるとなんだかビジネス本!って感じですな。




ではでは~~!!!

 

 

 

奥田英朗が大好き女子大生が『家日和』読んだ感想③

 奥田英朗『家日和』の続きです!今回が三記事目、ラストです。

前の二記事はこちら。

一個目→奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

二個目→奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた

 

 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

 

 

 

今回はラスト二編、

 

「夫とカーテン」

「妻と玄米御飯」

について書いていきます!

 

また、鑑賞についても軽く書いていきます!

 

以下、ネタバレありですよ!

 

「夫とカーテン」

 

 

一言で言うと:大変な時に力が湧くよねって話

 

あらすじ

イラストレーターをやっている主婦目線で語られる。夫は新しい事業を興すのが大好きで、「カーテン屋を開きたい」と言い出した。そして、知らぬうちに会社を辞めてきてしまう。そんな中、依頼されたイラストの出来が、今までにないほどよくなる。それからも、夫のカーテン屋が忙しく、落ち着かない日々を送る中で、イラストだけはうまくいって……。

 

 

感想

一言雑すぎましたかね。

あらすじだけ書くと「なんじゃ~この男は大丈夫なんか~?」と不安になってしまいますが、全体が軽いタッチで描かれているので、「大したことじゃない」感がすごいです。

本当に大したことじゃないのかはわかりませんが。

 

この夫婦にはまだ子供がいないこともあり、二人で暮らして幾分には生活の立て直しはいくらでもできる、という考えが根底にあるんですかね。

ほかにも、夫の「営業力」をどこかで信じているから、とか、自分も手に職を持っている余裕なのか、とかいろいろ考えられます。

 

カーテン屋を始める夫は、持ち前の正直な姿勢や、人に警戒されない雰囲気、話し方をもってして、どんどんカーテン屋を売り込みます。

妻自身の語り口が「軽い」ことも原因ですが、この「頼りになる」感じが、なんとなく読者を安心させるんですよね。

 

しかし、夫は相談もなく会社を辞め一言もなく人を雇い勝手にレースカーテンを100個も注文し、事業を進めていく猛者

従業員はくせ者だし、カーテンはもともと30セットの約束だったはずだし、と、彼女は文句を言います。が、「次から気を付ける」「売れたからいいじゃん」みたいな雰囲気です。

 

読んでるこっちが心配になるわ!

大丈夫なんですかね。でもこの夫、なぜか憎めない。看板をスペルミスで発注するアホさ(妻が気づき訂正しました)とか、なんだかんだ人好きされる性格なんですよね。

読んでいて、彼女が事業に失敗しても別れないだろう理由を「愛しているとか、とまでは情熱的なことじゃないけれど、いないとかなり淋しいから」だと語る理由がよくわかります。

 

そんな心配の中で彼女が描くイラストがどんどんノリにノッていきます

しかし、物語のラスト、夫のカーテン屋が軌道に乗ったか!というところで、彼女の傑作はコンペで落ちます

出来レースだった、と語られ、しかもイラストを書こうかと白紙の前に座ると、先ほどまでのような「降りてくる」感覚を失います。

しかし彼女は意外と落胆せず、夫との電話で幸せな気持ちになるところで幕を閉じます。

 

全体的に女性目線、妻目線がリアルだとまじまじと感じました。

女の人って、内心夫に対して「バーカ」とか思ってるんだろうなって思います。

観察眼に脱帽です。

 

 

女子大生の一言

こういう、家族が大変だと自分の潜在能力が発揮される、みたいなこと、あるよなぁ……。

 

 

 

「妻と玄米御飯」

 

一言で言うと:流行りの健康生活にハマる妻と、それを揶揄したい小説家の話

 

あらすじ

小説家の夫が主人公。少し前に小説でヒット作を出したことから、少しずつ家族で贅沢をするようになる。そして、妻が友人の影響で、「ロハス」という自然な健康志向の生活にハマる。妻に合わせてご飯が玄米御飯になったり、ヨガに通うことになる。しかし、夫は「ロハス」を内心嘲笑していて、しかもそれを小説で揶揄りたい気持ちが高まっていく。

 

 

感想

好み的な話なのですが、私はこの人の書く男性目線の話のほうが好きなのだと気が付きました。

突然脈絡のない報告から入ってすみません。

 

この小説は、主人公が小説家なので、「もしや、実体験なのでは……!?」と思わせる面白さがあります。

筆者自身の書いている小説と、その小説家が書いている小説は趣向が似ていますし。

 

また、妻のロハス志向を揶揄って、書いてから後悔する「うだつの上がらなさ」が非常に好きでした。

本人かどうかは別としても、自分自身だと考えられるようなキャラクターををそのように表現することで、全然嫌味がなく感じ、そこも「おやじらしい」自虐だなぁと感じました。

 

奥田英朗はエッセイも書いているのですが、未読なので本当にエッセイ的な風味を含む小説なのかは検討もつきません。

しかし、こういう手法って面白いですよね。

 

これって作者なの???違うの????

 

っていうワクワク感があります。こういう私小説的な表現は、太宰治作品に非常に多いですよね。人間失格とかは、その代表作な気がします。ちなみに私は読んだことありません。

 

話は変わりますが、私も「流行りのものを諸手を挙げて受け入れはしないぞ!!」という中二病な発想を持っているので、ロハスを享受する人たちを小馬鹿にしている思考がよく理解できて、そういう部分でも楽しめる作品でした。

(ちなみに「君の名は。」は見ました。ミーハーじゃねえか!)

 

女子大生の一言

ミーハーに楽しむことで得られるものが、世の中にはある。しかし、スカしている奴はちょっと照れくさくて騒げない。損である。

 

 

 

鑑賞 益田ミリ「拝啓 奥田英朗さま」

鑑賞が漫画で描かれていて、これもまた面白かったです。

この絵柄を見たときに「んんん見たことあるぞ!?」って思ったら、

 

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家にありました。『すーちゃん』。

親指のささくれがヤベェ……。このブログが不摂生を直そうと思うきっかけになるとは思ってもみませんでした。

 

話を戻します。

こういうタッチの漫画本を、「ツレうつシリーズとこれしか持っていないので、なんだか運命的なものを感じてしまいました。

 

この人の作品も、なんだか時間がゆっくり進むような感じがする空気感が好きなので、ぜひ『すーちゃん』再読して感想を書きたいなぁと感じました。

 

 

以上、奥田英朗『家日和』の感想でした!

来週頭はビジネス本を攻めていきたいと考えています!

ではでは~~~~~~~!!!!!!!!!!!!

 

 


『家日和』リンク

奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた←イマココ


 

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

 
ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

 

奥田英朗が大好き女子大生が『家日和』読んだ感想②

奥田英朗『家日和』読みました!

『家日和』感想の二記事目です。前記事は

こちら→奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

 

さて、また前回の続きで、あらすじと感想を書いていきますよ~!! 

 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

 

 

 

今回は「家においでよ」「グレープフルーツモンスター」です。

 

以下、ネタバレありです

 

「家においでよ」

一言で言うと:妻が出ていき一人暮らしになった男性が、秘密基地づくりにハマる話

 

あらすじ

妻と別居することになった男性が主人公。家具にこだわりなどない、と思っていたが、妻が家具をすべて引き払ってしまい、自分でそろえざるを得なくなる。しかし、そろえるうちに、だんだんと昔の趣味を思い出し、自分の「こだわりの品」を集めた部屋になっていく。そんな中で、同僚も家にくるようになり、家がだんだんと「男の隠れ家」化していく。

 

感想

いいですよね~、自分の趣味を集めた秘密基地。

男のロマン、って感じがします。私は女なので、男性ほど秘密基地の響きにロマンを感じてないのでしょうが、やはり燃えるものがあります。

 

奥田英朗の作品内ではたくさん胸に「スッ」と入ってくる表現があって好きです。この作品の冒頭、

「妻の仁美が家を出たら、部屋が水を抜いたプールのように広くなった」

とか。水を抜いたプールのもの悲しさは言うまでもないですが、それを味気ない部屋の比喩として使う「スッ」とくる感じがイイんですよね(表現フェチ)。

ここでいう「スッ」っていうのは、自分の中に違和感なく入ってくる、という意味です。

 

あと、好きだったセリフは、同僚の酒井が言う「巣作りは女のアイデンティティって一言ですかね。

このセリフに関しては、作者の「ちょっとハッとさせてやろう」という意図が伝わってきます(笑)

酒井は主人公の家の居心地の良さに居ついちゃう同僚なんですが、浮気もしてないのに妻になんとなく後ろめたい気持ちを持っていた。

その理由を「自分の家より同僚の家のほうが居心地がいいなんて、女房族にとっては屈辱的なことだろう」から、と語ります。

確かに、自分が妻の立場で、旦那が家にも帰ってこないで、仲良しの同僚の家でめっちゃ遊んでるってなったら……嫌……か……?

安価なのだし、それが楽しいなら存分に遊んでくれと思う気もします。

微妙なラインですが、内緒にされてたら「なんかやましいんだな」って勘違いしそうなので、そんな理由で家を空けても怒らないんだから、報告だけしてくださいよぉ~とは思いますね。

ただ、嫌な人はたくさんいると思うし、なんなら私も相手が「家族」や「夫」になった瞬間に嫌だと思うのかもしれません。

共感はできないセリフでしたが、言葉の「ハッとさせてやろう」という感じがなんとなく好きでした(笑)

 

女子大生のひとこと

趣味のための部屋。女は生活重視なので、ない感覚なのかも。趣味のための部屋、カッコエエと思います。

 

 

 

グレープフルーツモンスター

一言で言うと:主婦が内職斡旋会社の若い担当の変な夢を見る話

 

あらすじ

手紙の宛名打ち込みの内職をしている主婦。ある日、家に仕事を届けてくれる担当者が、若い男に変わる。その男はろくな営業マンではなさそうである。帰り際に靴べらを落とし、その男と同時に拾おうとして、手が触れ、頭もぶつかった。柑橘系のフレグランスの香りがした。その夜彼女は、グレープフルーツの怪物に襲われる夢を見て…。

 

感想

男性が書く女性が主人公の(特に性的な表現がある)小説ってなんか、毎回「コイツ男やん???この女の主人公、男やん?????」って思うような場合が多いんですけど、そういう感じは抱きませんでした。

 

男臭い小説ってありますよね、金城一紀「GO」とか、同じ奥田英朗の作品でも、「サウスバウンド」とかは結構男っぽい感じがしました。

乾くるみイニシエーション・ラブとかもそうですね、名前がめちゃめちゃ女っぽいので、女性作家の作品かと思ったら、中身が明らかに女性の文じゃなくて驚いた覚えがあります。

女性目線の文章が上手な作家さんもたくさんいますよね。太宰治とか(急に古い)。近代の作家さんは女性をよく見てるな……と思うような作品を書いてるイメージがあります。むしろ現代の作家さんでいまいち思いつかなくて、読書不足を思い知っています……。

 

男性的な文章を書くのがすごく上手だなーって思った女性作家の作品は、桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」とかですかね?百合なだけか?

 

変な夢を見るという題材なのは男っぽいな!とは思います。なんとなくですが、性=夢というイメージで書いてある女性作家の作品をあまり読んだことがないので。

 

結構過激な表現があるのですが、男性的な(偏見)押し付けがましさがなくて、女子大生でも不快感なく読めました!

女って本当はこうなんだろーう???ヘヘヘッみたいな(映画作品で言うと園子温監督作品的な)表現は、結末の「道は踏み外さない」ってところで裏切られます。

家庭や現実を壊すほどの熱量じゃなければ止まる、というのが女性的に感じました。

 

女子大生のひとこと

男性作家ならではな切り口なのにイヤじゃないのマジですごい。

 

 

 

 

以上、『家日和』のなかの二編、あらすじと感想を書きました!

六編中の三、四編目にあたる作品なので、間に挟まっているからか、すこしディープな内容だと感じました。

 

途中脱線して、男目線女目線、みたいな話になってしまい、なぞに触れている作品が増えてしまいました。

 

紹介しているのは映像化されていたりするほどの有名作品が多いので、興味がある方はぜひ!

 

次の記事更新しました!『家日和』読了です!

よかったらぜひ。

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた

 


『家日和』リンク

奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた←イマココ

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた


 

 

 

GO (角川文庫)

GO (角川文庫)

 
サウス・バウンド

サウス・バウンド

 
イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 

奥田英朗が大好き女子大生が『家日和』読んだ感想①

 

奥田英朗『家日和』を読みました!

 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

 

 

家に関する短編が六編入っています。

 

高校時代から奥田英朗の文章の軽いタッチが好きです。

奥田民生も好きだし、奥田好きなのかもしれない、と思います。

奥田民生も軽いタッチだしね。

 

ちなみに英朗とかいて「ひでお」と読みます。

えいろうって読まないようにお気を付けて。

 

ざっと経歴について説明していきます。

1959年生まれ。

もともと雑誌編集者やコピーライターをやっていた方です。

2004年に『空中ブランコ』で直木賞をとっています。

また、今回読んだ『家日和』は柴田錬三郎賞をとっています。

 

この記事ではそのうちの二つ

サニーデイ「ここが青山」について感想を書いていきますよ~!

 

以下、ネタバレを含む感想・あらすじがあるので、読む方はご注意を。

 

 

サニーデイ

一言で言うと:特に張り合いのない生活をしていた主婦が、「ネットショッピング」にハマっていく話。

 

あらすじ

主人公の女性は、ごく普通の主婦。要らなくなった折り畳みテーブルの処分で、ネットショッピングを利用することにする。一度利用してみると、案外買い手は優しい。「あなたのオークション評価」として、買い手から評価されるのだが、初めての評価で「非常によい」をもらうことにより、普段褒められない主婦の意欲に火がついて……。

 

感想

面白かった!

やはり奥田英朗の話はトーンが好きです。

作中で「奥山英太郎」という作家のサイン本を売るエピソードがでてくるんですが、いうまでもなく「奥田英朗」のもじりですね。

その作家の小説を「愚にもつかないお笑い小説」と表現していたのは個人的にとても好きでした。

この短編集の最後に入っている作品にも自分を下げるような描写があったのですが、男性作家の本って「オッサン」ならではの自虐があって好きです。

夫の大事なヴィンテージのギターを売ってしまって、大変な事件が起こりそうな、とてもハラハラする展開

こだわりの品なので、下手したら離婚されかねません。

これが乃南アサの短編だったら、もう殺人まで発展しそうです(偏見)。

しかし、さすがの奥田英朗

すっきりとまではいかないまでも、安心できるラストでした。

ここで乃南アサの例をだしたのは、乃南アサの短編集『家族趣味』を彷彿とさせる作品だったからです。

この短編集についても読み返していつか感想を書きたいですが、何かにハマッで引き返せなくなる、『趣味』と『狂気』の話が集まってる短編集です。こちらも面白いのでぜひ。

脱線しましたが、一編目の「サニーデイ」はハラハラ感から安心、という形をたどるのが「イン・ザ・プール」を書いた奥田英朗らしく(?)、この人の作品がやっぱり私は好きだああ~~~!って思いました(コナミ

 

女子大生のひとこと

主婦になると認められなくなるのはしんどいので、何か趣味を持っておこう……。

 

 

「ここが青山」

一言で言うと:会社が倒産したけど意外と楽しい主夫業

 

あらすじ

会社が倒産してしまった男性が主人公。妻が職場復帰することとなり、暗黙の了解で自然と家事をし、主夫になる。周りからは「会社が倒産してしまって苦労しているご夫婦」に見られるが、彼自身は案外家の居心地がよく、家事も楽しく、「ここが青山でもいい」と思う。

 

感想

この話、『短編工場』という短編集に入っていたのを読んだことがあり、今回再読です。

というか、この話が好きで、これが入っているから『家日和』を購入しました。

 

タイトルの「ここが青山」ですが、

「人間いたるところに青山あり」ということわざから来ています。

にんげんいたるところにあおやまあり」

ではなく

じんかんいたるところにせいざんあり」

だそうです。私もこの小説で知りました。

だからタイトルは「ここがせいざん」となります。へ~って感じですね。

 

さて、この作品が一番好きな理由なのですが、なんとなく、筆致がすき、というのはもちろんあります。

『家日和』の短編、全部読みやすいのですが、その中でもこの話は一番読みやすかったです。

 

あと、なんで好きなんだろうと思ったときに、こういう男っぽくない男性が好きなだけかもしれん……とも思いました。

あとは、気づかぬうちにジェンダーババアになっていっているのかもしれません。

こういう主夫とか、働く女性とか……そういうジェンダーレス的な考え方が、世の中の流れに従って気づかぬうちに大好きになっているのか……?

 

主人公の男性が家事に面白みを見出していくのが非常に自然なことに思えて、「こういう人なんだな」「ここが彼の青山なのかもな」という感じが、読んでいて伝わってきます。

家事が楽しそうに見えるので、家事が楽しくない人は触発されて楽しくなるかもしれません(この予想が外れても責任はとれません)。

最後に、「息子とのブロッコリー対決が一番の見どころですよ」という、ナンダソレな情報だけお伝えしておきます。

 

女子大生の一言

家事も仕事も向いてれば楽しいのだろうし、青山、見つけたい……。

 

 

 また次の二編は今週中に更新します!

 

更新しました!次の記事はこちらです。

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた

 


『家日和』リンク

奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた←イマココ

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた


 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

 
イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)

 
空中ブランコ (文春文庫)

空中ブランコ (文春文庫)

 
家族趣味 (廣済堂文庫)

家族趣味 (廣済堂文庫)

 

 

 

女子大生が本を読んであーだこーだ言うブログ

 

はじめまして。

 

突然ですが、本、読みます?

 

「最近めっきり読んでないなぁ」

って方、結構いるんじゃないかと思うんですよね。

 

私、俗に言う文学部「国文科」「日文科」に属してる女子大生なんですが、

私は最近本、読んでないんです。

 

文学部の女子大生として

このままじゃあかんぞと。

 

まじでだんだんバカになってる感じするしね。

中学のときが一番本読んでたんだけど。

 

アホみたいな顔でスマホ画面をタップするだけのゲームしてる場合じゃないぞ。

タップしてひたすらストーリーを進めるゲームするなら

本読んだほうが手っ取り早いぞ。

 

と思ったので、時間を見つけて本を読んでいきたいと思ってます。

で、感想をここに書いていきます。

 

・そもそも本って読まなきゃダメなの? 

小さい時から

「読書感想文」だ「指定図書」だ

「読書週間」だなんだと

やたら本を読まされてきましたが、

 

「本って読む意味あるんか?」

 

と思いません?

 

なんとなく読んだほうがいい気はするけどね。

結論から言うと、本って

読んだほうがお得

なのには違いないっぽい。

 

 ・一般的に本を読むことが推奨される理由

本を読むことに疑問を抱いてる人、

結構いるようです。

 

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こんなに(約2,760,000件

検索にひっかかるのは、

知りたい人が多いからですよね。

 

いや、気持ちはわかります。

毎日忙しくて、そんな暇があったら寝たい

自分のほかの趣味に使いたい。

 

皆そういう気持ちは少なからず持ってるはずなのに、

なぜ読書家の人ってあんなに本を読んでるんじゃ~~~

 

一般的に本を読んだほうがいいとされる理由は

 

・自分への投資

・楽しみ

 

この辺ですかね。

いやいや雑すぎるだろ~。ね。

私もそう思います。

 

ちょっと具体的に調べてみたよ!

 

 

・自分への投資

わかりやすいところで言うと「ビジネス本」「自己啓発本」とかは完全に自己投資ですよね。

ほかにも、ただの小説だとしても、本を読むだけで、

 

・読解力

・語彙力 

に加えて

 

・想像力 

まで磨くことができるとか。

となると、

 

・トークスキル 

とか、もろもろのセンスを磨けそう。

 

読書、つよい。

頭よく見られたい、センスよく見られたい……

って常に他者の評価に飢えてる私としては、

本を読むことで得られる効果は願ったりかなったり。

 

・楽しみ

 まあ言うまでもない感じはするけど、

読書の楽しみはもちろん理由になる。

 

・現実から離れた空想世界に行けること

・いろんな人の考えがわかること

この辺は、ドラマや映画でもいえそうだけど、

文章は映像と違って、ある程度集中しなきゃ入ってこないのが、

大変であり、いいところでもありますよね。

 

ドラマや映画はぼーっとしてても楽しめるものが多いけど、

本はぼーっとしてたら進まないもんね。

 

だから、ずぶずぶ空想に入り込める。

しかも静かに、どこでも、充電いらずで。

(充電いらないの、地味に強いと思うんですよね。個人的に) 

 

あと、本を読むのはストレス解消になるらしい。

そういう部分でも読書をする理由はありますよね。

 

 

・私が本を読む理由

 冒頭のほうに書いたんですが、

私は小中学のころまではそこそこな読書家だったんです。

 

当時本を読んでた理由を考えたら、

完全に現実逃避だったな、と。

 

小学校でも、仲間外れにされたときが一番本を読んでいた気がするし、

(そのときの仲間外れにしてきたやつとはいまだに仲良しですが)

 

中学での運動部では練習がしんどかった……!!

で、そこから逃げるように本を読んでましたね。

 

そのまま高校大学に行って、女子大生して、

ストレスレスな生活をしてたら本を読まなくなったわけです。

 

でもまあやっぱり本は読みたいよね!読みます!!!

あ~頭よくなりたいわ〜〜〜!!!!!


・面白い本を見つける方法

 昔本を読んでいた経験からか、

比較的に面白い本を引き当てられる気がしてました。

 

が、有名作品読んでるだけだったと気が付きました。

ただ、やはり有名作品は面白い本が多いですよ。

 

とりあえず、話題作を読んでおけばよし。

 

本を読むのに慣れてない人には、

芥川賞」作品よりも直木賞」作品がおすすめですよ。

 

と、中学の頃の私が申しております。

 

 

 

初回で張り切りすぎた感が非常に強くて恥ずかしいですが、 

次からは有名な本を読んであらすじや感想を書いていきますよ~。

とくにジャンルは関係なく読んでいこうと思ってます!

 

ではでは~~~~~~!