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女子大生が本とか映画の感想を言うブログ

すっかり読書離れしてしまった女子大生が本を読まんとするブログです。たまに映画も見ます。あらすじや感想を載せていきます。

奥田英朗が大好き女子大生が『家日和』読んだ感想③

 奥田英朗『家日和』の続きです!今回が三記事目、ラストです。

前の二記事はこちら。

一個目→奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

二個目→奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた

 

 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

 

 

 

今回はラスト二編、

 

「夫とカーテン」

「妻と玄米御飯」

について書いていきます!

 

また、鑑賞についても軽く書いていきます!

 

以下、ネタバレありですよ!

 

「夫とカーテン」

 

 

一言で言うと:大変な時に力が湧くよねって話

 

あらすじ

イラストレーターをやっている主婦目線で語られる。夫は新しい事業を興すのが大好きで、「カーテン屋を開きたい」と言い出した。そして、知らぬうちに会社を辞めてきてしまう。そんな中、依頼されたイラストの出来が、今までにないほどよくなる。それからも、夫のカーテン屋が忙しく、落ち着かない日々を送る中で、イラストだけはうまくいって……。

 

 

感想

一言雑すぎましたかね。

あらすじだけ書くと「なんじゃ~この男は大丈夫なんか~?」と不安になってしまいますが、全体が軽いタッチで描かれているので、「大したことじゃない」感がすごいです。

本当に大したことじゃないのかはわかりませんが。

 

この夫婦にはまだ子供がいないこともあり、二人で暮らして幾分には生活の立て直しはいくらでもできる、という考えが根底にあるんですかね。

ほかにも、夫の「営業力」をどこかで信じているから、とか、自分も手に職を持っている余裕なのか、とかいろいろ考えられます。

 

カーテン屋を始める夫は、持ち前の正直な姿勢や、人に警戒されない雰囲気、話し方をもってして、どんどんカーテン屋を売り込みます。

妻自身の語り口が「軽い」ことも原因ですが、この「頼りになる」感じが、なんとなく読者を安心させるんですよね。

 

しかし、夫は相談もなく会社を辞め一言もなく人を雇い勝手にレースカーテンを100個も注文し、事業を進めていく猛者

従業員はくせ者だし、カーテンはもともと30セットの約束だったはずだし、と、彼女は文句を言います。が、「次から気を付ける」「売れたからいいじゃん」みたいな雰囲気です。

 

読んでるこっちが心配になるわ!

大丈夫なんですかね。でもこの夫、なぜか憎めない。看板をスペルミスで発注するアホさ(妻が気づき訂正しました)とか、なんだかんだ人好きされる性格なんですよね。

読んでいて、彼女が事業に失敗しても別れないだろう理由を「愛しているとか、とまでは情熱的なことじゃないけれど、いないとかなり淋しいから」だと語る理由がよくわかります。

 

そんな心配の中で彼女が描くイラストがどんどんノリにノッていきます

しかし、物語のラスト、夫のカーテン屋が軌道に乗ったか!というところで、彼女の傑作はコンペで落ちます

出来レースだった、と語られ、しかもイラストを書こうかと白紙の前に座ると、先ほどまでのような「降りてくる」感覚を失います。

しかし彼女は意外と落胆せず、夫との電話で幸せな気持ちになるところで幕を閉じます。

 

全体的に女性目線、妻目線がリアルだとまじまじと感じました。

女の人って、内心夫に対して「バーカ」とか思ってるんだろうなって思います。

観察眼に脱帽です。

 

 

女子大生の一言

こういう、家族が大変だと自分の潜在能力が発揮される、みたいなこと、あるよなぁ……。

 

 

 

「妻と玄米御飯」

 

一言で言うと:流行りの健康生活にハマる妻と、それを揶揄したい小説家の話

 

あらすじ

小説家の夫が主人公。少し前に小説でヒット作を出したことから、少しずつ家族で贅沢をするようになる。そして、妻が友人の影響で、「ロハス」という自然な健康志向の生活にハマる。妻に合わせてご飯が玄米御飯になったり、ヨガに通うことになる。しかし、夫は「ロハス」を内心嘲笑していて、しかもそれを小説で揶揄りたい気持ちが高まっていく。

 

 

感想

好み的な話なのですが、私はこの人の書く男性目線の話のほうが好きなのだと気が付きました。

突然脈絡のない報告から入ってすみません。

 

この小説は、主人公が小説家なので、「もしや、実体験なのでは……!?」と思わせる面白さがあります。

筆者自身の書いている小説と、その小説家が書いている小説は趣向が似ていますし。

 

また、妻のロハス志向を揶揄って、書いてから後悔する「うだつの上がらなさ」が非常に好きでした。

本人かどうかは別としても、自分自身だと考えられるようなキャラクターををそのように表現することで、全然嫌味がなく感じ、そこも「おやじらしい」自虐だなぁと感じました。

 

奥田英朗はエッセイも書いているのですが、未読なので本当にエッセイ的な風味を含む小説なのかは検討もつきません。

しかし、こういう手法って面白いですよね。

 

これって作者なの???違うの????

 

っていうワクワク感があります。こういう私小説的な表現は、太宰治作品に非常に多いですよね。人間失格とかは、その代表作な気がします。ちなみに私は読んだことありません。

 

話は変わりますが、私も「流行りのものを諸手を挙げて受け入れはしないぞ!!」という中二病な発想を持っているので、ロハスを享受する人たちを小馬鹿にしている思考がよく理解できて、そういう部分でも楽しめる作品でした。

(ちなみに「君の名は。」は見ました。ミーハーじゃねえか!)

 

女子大生の一言

ミーハーに楽しむことで得られるものが、世の中にはある。しかし、スカしている奴はちょっと照れくさくて騒げない。損である。

 

 

 

鑑賞 益田ミリ「拝啓 奥田英朗さま」

鑑賞が漫画で描かれていて、これもまた面白かったです。

この絵柄を見たときに「んんん見たことあるぞ!?」って思ったら、

 

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家にありました。『すーちゃん』。

親指のささくれがヤベェ……。このブログが不摂生を直そうと思うきっかけになるとは思ってもみませんでした。

 

話を戻します。

こういうタッチの漫画本を、「ツレうつシリーズとこれしか持っていないので、なんだか運命的なものを感じてしまいました。

 

この人の作品も、なんだか時間がゆっくり進むような感じがする空気感が好きなので、ぜひ『すーちゃん』再読して感想を書きたいなぁと感じました。

 

 

以上、奥田英朗『家日和』の感想でした!

来週頭はビジネス本を攻めていきたいと考えています!

ではでは~~~~~~~!!!!!!!!!!!!

 

 


『家日和』リンク

奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた←イマココ


 

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

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ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

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