女子大生が本とか映画の感想を言うブログ

すっかり読書離れしてしまった女子大生が本を読まんとするブログです。たまに映画も見ます。あらすじや感想を載せていきます。

奥田英朗が大好き女子大生が『家日和』読んだ感想②

奥田英朗『家日和』読みました!

『家日和』感想の二記事目です。前記事は

こちら→奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

 

さて、また前回の続きで、あらすじと感想を書いていきますよ~!! 

 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

 

 

 

今回は「家においでよ」「グレープフルーツモンスター」です。

 

以下、ネタバレありです

 

「家においでよ」

一言で言うと:妻が出ていき一人暮らしになった男性が、秘密基地づくりにハマる話

 

あらすじ

妻と別居することになった男性が主人公。家具にこだわりなどない、と思っていたが、妻が家具をすべて引き払ってしまい、自分でそろえざるを得なくなる。しかし、そろえるうちに、だんだんと昔の趣味を思い出し、自分の「こだわりの品」を集めた部屋になっていく。そんな中で、同僚も家にくるようになり、家がだんだんと「男の隠れ家」化していく。

 

感想

いいですよね~、自分の趣味を集めた秘密基地。

男のロマン、って感じがします。私は女なので、男性ほど秘密基地の響きにロマンを感じてないのでしょうが、やはり燃えるものがあります。

 

奥田英朗の作品内ではたくさん胸に「スッ」と入ってくる表現があって好きです。この作品の冒頭、

「妻の仁美が家を出たら、部屋が水を抜いたプールのように広くなった」

とか。水を抜いたプールのもの悲しさは言うまでもないですが、それを味気ない部屋の比喩として使う「スッ」とくる感じがイイんですよね(表現フェチ)。

ここでいう「スッ」っていうのは、自分の中に違和感なく入ってくる、という意味です。

 

あと、好きだったセリフは、同僚の酒井が言う「巣作りは女のアイデンティティって一言ですかね。

このセリフに関しては、作者の「ちょっとハッとさせてやろう」という意図が伝わってきます(笑)

酒井は主人公の家の居心地の良さに居ついちゃう同僚なんですが、浮気もしてないのに妻になんとなく後ろめたい気持ちを持っていた。

その理由を「自分の家より同僚の家のほうが居心地がいいなんて、女房族にとっては屈辱的なことだろう」から、と語ります。

確かに、自分が妻の立場で、旦那が家にも帰ってこないで、仲良しの同僚の家でめっちゃ遊んでるってなったら……嫌……か……?

安価なのだし、それが楽しいなら存分に遊んでくれと思う気もします。

微妙なラインですが、内緒にされてたら「なんかやましいんだな」って勘違いしそうなので、そんな理由で家を空けても怒らないんだから、報告だけしてくださいよぉ~とは思いますね。

ただ、嫌な人はたくさんいると思うし、なんなら私も相手が「家族」や「夫」になった瞬間に嫌だと思うのかもしれません。

共感はできないセリフでしたが、言葉の「ハッとさせてやろう」という感じがなんとなく好きでした(笑)

 

女子大生のひとこと

趣味のための部屋。女は生活重視なので、ない感覚なのかも。趣味のための部屋、カッコエエと思います。

 

 

 

グレープフルーツモンスター

一言で言うと:主婦が内職斡旋会社の若い担当の変な夢を見る話

 

あらすじ

手紙の宛名打ち込みの内職をしている主婦。ある日、家に仕事を届けてくれる担当者が、若い男に変わる。その男はろくな営業マンではなさそうである。帰り際に靴べらを落とし、その男と同時に拾おうとして、手が触れ、頭もぶつかった。柑橘系のフレグランスの香りがした。その夜彼女は、グレープフルーツの怪物に襲われる夢を見て…。

 

感想

男性が書く女性が主人公の(特に性的な表現がある)小説ってなんか、毎回「コイツ男やん???この女の主人公、男やん?????」って思うような場合が多いんですけど、そういう感じは抱きませんでした。

 

男臭い小説ってありますよね、金城一紀「GO」とか、同じ奥田英朗の作品でも、「サウスバウンド」とかは結構男っぽい感じがしました。

乾くるみイニシエーション・ラブとかもそうですね、名前がめちゃめちゃ女っぽいので、女性作家の作品かと思ったら、中身が明らかに女性の文じゃなくて驚いた覚えがあります。

女性目線の文章が上手な作家さんもたくさんいますよね。太宰治とか(急に古い)。近代の作家さんは女性をよく見てるな……と思うような作品を書いてるイメージがあります。むしろ現代の作家さんでいまいち思いつかなくて、読書不足を思い知っています……。

 

男性的な文章を書くのがすごく上手だなーって思った女性作家の作品は、桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」とかですかね?百合なだけか?

 

変な夢を見るという題材なのは男っぽいな!とは思います。なんとなくですが、性=夢というイメージで書いてある女性作家の作品をあまり読んだことがないので。

 

結構過激な表現があるのですが、男性的な(偏見)押し付けがましさがなくて、女子大生でも不快感なく読めました!

女って本当はこうなんだろーう???ヘヘヘッみたいな(映画作品で言うと園子温監督作品的な)表現は、結末の「道は踏み外さない」ってところで裏切られます。

家庭や現実を壊すほどの熱量じゃなければ止まる、というのが女性的に感じました。

 

女子大生のひとこと

男性作家ならではな切り口なのにイヤじゃないのマジですごい。

 

 

 

 

以上、『家日和』のなかの二編、あらすじと感想を書きました!

六編中の三、四編目にあたる作品なので、間に挟まっているからか、すこしディープな内容だと感じました。

 

途中脱線して、男目線女目線、みたいな話になってしまい、なぞに触れている作品が増えてしまいました。

 

紹介しているのは映像化されていたりするほどの有名作品が多いので、興味がある方はぜひ!

 

次の記事更新しました!『家日和』読了です!

よかったらぜひ。

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた

 


『家日和』リンク

奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた←イマココ

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた


 

 

 

GO (角川文庫)

GO (角川文庫)

 
サウス・バウンド

サウス・バウンド

 
イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 

奥田英朗が大好き女子大生が『家日和』読んだ感想①

 

奥田英朗『家日和』を読みました!

 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

 

 

家に関する短編が六編入っています。

 

高校時代から奥田英朗の文章の軽いタッチが好きです。

奥田民生も好きだし、奥田好きなのかもしれない、と思います。

奥田民生も軽いタッチだしね。

 

ちなみに英朗とかいて「ひでお」と読みます。

えいろうって読まないようにお気を付けて。

 

ざっと経歴について説明していきます。

1959年生まれ。

もともと雑誌編集者やコピーライターをやっていた方です。

2004年に『空中ブランコ』で直木賞をとっています。

また、今回読んだ『家日和』は柴田錬三郎賞をとっています。

 

この記事ではそのうちの二つ

サニーデイ「ここが青山」について感想を書いていきますよ~!

 

以下、ネタバレを含む感想・あらすじがあるので、読む方はご注意を。

 

 

サニーデイ

一言で言うと:特に張り合いのない生活をしていた主婦が、「ネットショッピング」にハマっていく話。

 

あらすじ

主人公の女性は、ごく普通の主婦。要らなくなった折り畳みテーブルの処分で、ネットショッピングを利用することにする。一度利用してみると、案外買い手は優しい。「あなたのオークション評価」として、買い手から評価されるのだが、初めての評価で「非常によい」をもらうことにより、普段褒められない主婦の意欲に火がついて……。

 

感想

面白かった!

やはり奥田英朗の話はトーンが好きです。

作中で「奥山英太郎」という作家のサイン本を売るエピソードがでてくるんですが、いうまでもなく「奥田英朗」のもじりですね。

その作家の小説を「愚にもつかないお笑い小説」と表現していたのは個人的にとても好きでした。

この短編集の最後に入っている作品にも自分を下げるような描写があったのですが、男性作家の本って「オッサン」ならではの自虐があって好きです。

夫の大事なヴィンテージのギターを売ってしまって、大変な事件が起こりそうな、とてもハラハラする展開

こだわりの品なので、下手したら離婚されかねません。

これが乃南アサの短編だったら、もう殺人まで発展しそうです(偏見)。

しかし、さすがの奥田英朗

すっきりとまではいかないまでも、安心できるラストでした。

ここで乃南アサの例をだしたのは、乃南アサの短編集『家族趣味』を彷彿とさせる作品だったからです。

この短編集についても読み返していつか感想を書きたいですが、何かにハマッで引き返せなくなる、『趣味』と『狂気』の話が集まってる短編集です。こちらも面白いのでぜひ。

脱線しましたが、一編目の「サニーデイ」はハラハラ感から安心、という形をたどるのが「イン・ザ・プール」を書いた奥田英朗らしく(?)、この人の作品がやっぱり私は好きだああ~~~!って思いました(コナミ

 

女子大生のひとこと

主婦になると認められなくなるのはしんどいので、何か趣味を持っておこう……。

 

 

「ここが青山」

一言で言うと:会社が倒産したけど意外と楽しい主夫業

 

あらすじ

会社が倒産してしまった男性が主人公。妻が職場復帰することとなり、暗黙の了解で自然と家事をし、主夫になる。周りからは「会社が倒産してしまって苦労しているご夫婦」に見られるが、彼自身は案外家の居心地がよく、家事も楽しく、「ここが青山でもいい」と思う。

 

感想

この話、『短編工場』という短編集に入っていたのを読んだことがあり、今回再読です。

というか、この話が好きで、これが入っているから『家日和』を購入しました。

 

タイトルの「ここが青山」ですが、

「人間いたるところに青山あり」ということわざから来ています。

にんげんいたるところにあおやまあり」

ではなく

じんかんいたるところにせいざんあり」

だそうです。私もこの小説で知りました。

だからタイトルは「ここがせいざん」となります。へ~って感じですね。

 

さて、この作品が一番好きな理由なのですが、なんとなく、筆致がすき、というのはもちろんあります。

『家日和』の短編、全部読みやすいのですが、その中でもこの話は一番読みやすかったです。

 

あと、なんで好きなんだろうと思ったときに、こういう男っぽくない男性が好きなだけかもしれん……とも思いました。

あとは、気づかぬうちにジェンダーババアになっていっているのかもしれません。

こういう主夫とか、働く女性とか……そういうジェンダーレス的な考え方が、世の中の流れに従って気づかぬうちに大好きになっているのか……?

 

主人公の男性が家事に面白みを見出していくのが非常に自然なことに思えて、「こういう人なんだな」「ここが彼の青山なのかもな」という感じが、読んでいて伝わってきます。

家事が楽しそうに見えるので、家事が楽しくない人は触発されて楽しくなるかもしれません(この予想が外れても責任はとれません)。

最後に、「息子とのブロッコリー対決が一番の見どころですよ」という、ナンダソレな情報だけお伝えしておきます。

 

女子大生の一言

家事も仕事も向いてれば楽しいのだろうし、青山、見つけたい……。

 

 

 また次の二編は今週中に更新します!

 

更新しました!次の記事はこちらです。

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた

 


『家日和』リンク

奥田英朗 『家日和』① - 女子大生が本を読んでみた←イマココ

奥田英朗 『家日和」② - 女子大生が本を読んでみた

奥田英朗 『家日和』③ - 女子大生が本を読んでみた


 

家日和 (集英社文庫)

家日和 (集英社文庫)

 
イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)

 
空中ブランコ (文春文庫)

空中ブランコ (文春文庫)

 
家族趣味 (廣済堂文庫)

家族趣味 (廣済堂文庫)

 

 

 

女子大生が本を読んであーだこーだ言うブログ

 

はじめまして。

 

突然ですが、本、読みます?

 

「最近めっきり読んでないなぁ」

って方、結構いるんじゃないかと思うんですよね。

 

私、俗に言う文学部「国文科」「日文科」に属してる女子大生なんですが、

私は最近本、読んでないんです。

 

文学部の女子大生として

このままじゃあかんぞと。

 

まじでだんだんバカになってる感じするしね。

中学のときが一番本読んでたんだけど。

 

アホみたいな顔でスマホ画面をタップするだけのゲームしてる場合じゃないぞ。

タップしてひたすらストーリーを進めるゲームするなら

本読んだほうが手っ取り早いぞ。

 

と思ったので、時間を見つけて本を読んでいきたいと思ってます。

で、感想をここに書いていきます。

 

・そもそも本って読まなきゃダメなの? 

小さい時から

「読書感想文」だ「指定図書」だ

「読書週間」だなんだと

やたら本を読まされてきましたが、

 

「本って読む意味あるんか?」

 

と思いません?

 

なんとなく読んだほうがいい気はするけどね。

結論から言うと、本って

読んだほうがお得

なのには違いないっぽい。

 

 ・一般的に本を読むことが推奨される理由

本を読むことに疑問を抱いてる人、

結構いるようです。

 

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こんなに(約2,760,000件

検索にひっかかるのは、

知りたい人が多いからですよね。

 

いや、気持ちはわかります。

毎日忙しくて、そんな暇があったら寝たい

自分のほかの趣味に使いたい。

 

皆そういう気持ちは少なからず持ってるはずなのに、

なぜ読書家の人ってあんなに本を読んでるんじゃ~~~

 

一般的に本を読んだほうがいいとされる理由は

 

・自分への投資

・楽しみ

 

この辺ですかね。

いやいや雑すぎるだろ~。ね。

私もそう思います。

 

ちょっと具体的に調べてみたよ!

 

 

・自分への投資

わかりやすいところで言うと「ビジネス本」「自己啓発本」とかは完全に自己投資ですよね。

ほかにも、ただの小説だとしても、本を読むだけで、

 

・読解力

・語彙力 

に加えて

 

・想像力 

まで磨くことができるとか。

となると、

 

・トークスキル 

とか、もろもろのセンスを磨けそう。

 

読書、つよい。

頭よく見られたい、センスよく見られたい……

って常に他者の評価に飢えてる私としては、

本を読むことで得られる効果は願ったりかなったり。

 

・楽しみ

 まあ言うまでもない感じはするけど、

読書の楽しみはもちろん理由になる。

 

・現実から離れた空想世界に行けること

・いろんな人の考えがわかること

この辺は、ドラマや映画でもいえそうだけど、

文章は映像と違って、ある程度集中しなきゃ入ってこないのが、

大変であり、いいところでもありますよね。

 

ドラマや映画はぼーっとしてても楽しめるものが多いけど、

本はぼーっとしてたら進まないもんね。

 

だから、ずぶずぶ空想に入り込める。

しかも静かに、どこでも、充電いらずで。

(充電いらないの、地味に強いと思うんですよね。個人的に) 

 

あと、本を読むのはストレス解消になるらしい。

そういう部分でも読書をする理由はありますよね。

 

 

・私が本を読む理由

 冒頭のほうに書いたんですが、

私は小中学のころまではそこそこな読書家だったんです。

 

当時本を読んでた理由を考えたら、

完全に現実逃避だったな、と。

 

小学校でも、仲間外れにされたときが一番本を読んでいた気がするし、

(そのときの仲間外れにしてきたやつとはいまだに仲良しですが)

 

中学での運動部では練習がしんどかった……!!

で、そこから逃げるように本を読んでましたね。

 

そのまま高校大学に行って、女子大生して、

ストレスレスな生活をしてたら本を読まなくなったわけです。

 

でもまあやっぱり本は読みたいよね!読みます!!!

あ~頭よくなりたいわ〜〜〜!!!!!


・面白い本を見つける方法

 昔本を読んでいた経験からか、

比較的に面白い本を引き当てられる気がしてました。

 

が、有名作品読んでるだけだったと気が付きました。

ただ、やはり有名作品は面白い本が多いですよ。

 

とりあえず、話題作を読んでおけばよし。

 

本を読むのに慣れてない人には、

芥川賞」作品よりも直木賞」作品がおすすめですよ。

 

と、中学の頃の私が申しております。

 

 

 

初回で張り切りすぎた感が非常に強くて恥ずかしいですが、 

次からは有名な本を読んであらすじや感想を書いていきますよ~。

とくにジャンルは関係なく読んでいこうと思ってます!

 

ではでは~~~~~~!